製剤情報を「引用」する

基本的な製剤情報ならば添付文書やインタビューフォームを見ればわかります。

しかし、下記の情報に関しては市販の書籍を参照しているのが実状だと思います。

・粉砕・脱カプセルの可否
錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック第7版 [ 佐川賢一 ]

・簡易懸濁法の可否
内服薬経管投与ハンドブック第3版 簡易懸濁法可能医薬品一覧 [ 倉田なおみ ]

・注射薬の配合変化
注射薬調剤監査マニュアル第4版 [ 山口県病院薬剤師会 ]

粉砕・脱カプセル・簡易懸念濁法の可否は「一つしか選択肢のない属性」なので、「ラジオボタン」か「ドロップダウン」をパーツに選択するといいでしょう。

ラジオボタン or ドロップダウン

※「-(△)」「✖(△)」のように評価が統一されていない場合、入院患者に対する短期処方ということを鑑み、当院では甘い方(△)を採用しています。

一方配合変化に関しては、注射薬名を「〇」「△」「✖」別に「文字列(複数行)」か「リッチエディター」に記載する方法が考えられます。

文字列(複数行) or リッチエディター

しかし、これだと多くの「検索ノイズ」を生じてしまいますので、PDFファイル(OCR処理なし)や画像ファイルをまず作成しておき、それを添付する方法をお勧めします。

あと、注射薬に関しては、輸液の混注容量情報や抗がん剤の調製情報なども登録しておくと重宝します。


書籍を引用する際の留意点

ここで避けて通れないのが「著作権法」に関する問題です。

不特定多数の人が閲覧できない仕組みになっているとはいえ、書籍のスキャンデータ(PDFファイル)を「クラウド型」に添付してスタッフ間で共有することは避けるべきでしょう。

しかし、だからといってこれらの情報が全く参照できない「クラウド型」なんてあり得ません。

そこで考えたのが、法に触れない「引用」の方法です。

    「引用」ならぱ問題はない。

よく耳にする話ですが、もちろん一定の条件は満たしておかねばなりません。

【条件1】(判例の条件)
引用する側の著作物と引用される側の著作物とが明瞭に区別して認識できること
(明瞭区別性)

【条件2】(判例の条件)
引用する側の著作物が「主」で引用される側の著作物が「従」と言えること
(主従関係要件)

このことからも、「クラウド型」に掲載するのは必要な範囲に留めるべきです。

例えば、粉砕の可否について記載する情報は「〇」「△」「✖」まで。

この記事でも触れた通り、「クラウド型」はあくまで「早引き」用の情報源です。

よって、引用元の書籍は最低1冊は購入する必要があり、詳細は書籍を参照するべきなのです。

更には下記のような条件もあります。

【条件3】(著作権法32条1項)
引用の目的上、「正当な範囲内」で行なわれるものでなければならない

【条件4】(著作権法32条1項)
「公正な慣行」に合致するものであること

「正当な範囲内」とは、①引用の必要性があるか②量及び範囲が必要な範囲内か③手段(引用方法)が適切かという意味ですが、これらは全てクリアしているものと考えます。

「公正な慣行」についても、出典を記載すれば問題はない筈です。

詳しくは、こちらの記事(他人の著作物を適法に「引用」する際のルール)をご覧ください。


【付記】

それでもスキャンデータは参照できるに越したことはありませんよね。

実は私、「クラウド型」でスキャンデータを「合法的」に閲覧しています。

その「からくり」をご紹介するのはまたの機会に・・・。