当院で使用している属性情報のソースも紹介しておきましょう。

・投与区分(内・外・注・歯)
・規制区分(麻・向・毒・劇・処)
・先発・後発区分

これらの情報を入手するには、医薬品情報サイト「SAFE-DI」の提供する「SAFE-DIクリッピング」が便利です。

※SAFE-DIを利用するには利用登録が必要です。医療機関および薬局等の法人登録の場合は無料ですが、個人登録だと30,000円/1ユーザーIDが必要となります。

上記以外にも各種コード(JANコード・厚労省コード・YJコード・レセプト電算処理コードなど)や規格単位・薬価・メーカーなど、幅広く入手できる「優れモノ」のサービスです。


・ハイリスク薬区分

薬剤管理指導料「1」の算定対象となる薬剤、いわゆるハイリスク薬の最新リストは「診療報酬情報提供サービス」より入手できます。

なお、計12種類ある薬効群別薬品リストや資料は、こちら(愛知県薬剤師会)やこちら(広島県薬剤師会)が充実しています。


・RMP提出品目

RMP(医薬品リスク管理計画)提出品目一覧はPMDAのホームページより入手できます。


・腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤

日本腎臓病薬物療法学会のホームページより最新版が入手できます。

このリストのみで100%網羅できる訳ではありませんが、「最低限これだけは」という意味合いでフラグを立てておくと、メリハリのあるチェックが可能となり重宝します。

同様に「(高齢者に対して)特に慎重な投与を要する薬物のリスト」(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015)や「(妊婦に対して)危険度の高い薬剤・特に注意すべき薬剤」(おくすり110番)も有用です。


・流通管理品目

近年、卸に発注しても処方医師名を尋ねられたり、調剤薬局からe-ラーニング受講の有無を確認されたり、メーカーより全例調査の契約を求められたりと、使用開始までの手続きが複雑な薬品が増えてきました。

まだ定着した呼称がある訳ではないようですが、愛媛大学医学部附属病院薬剤部のホームページではこれらを「流通管理品目」としてリストを公開しています。


上記以外にも、「TDM対象薬」(熊本大学薬学部附属育薬フロンティアセンター)・「投与日数制限医薬品」(SAFE-DI・データライブラリ)・「主な希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)一覧」(SAFE-DI・Q&A)などもあると便利です。

これ以外にも有用な情報ソースがないかと探索するのも楽しいものですよ🎵


あ、そうそう。

とりわけ重宝する属性情報を忘れるところでした。

それは「採用区分」と「卸情報」です。

※こればかりは自力でリストアップするしかありませんね。

「クラウド型」に薬事委員会ペースの「採用区分」を登録しておくのです。

そうすれば、夜勤中や調剤科長が不在中に薬の在庫が不足し、発注すべきかどうかを悩んだ時、判断材料となるのです。

採用品 ⇒ 購入が必要 ※緊急性による

削除品(在庫消尽中) ⇒ 購入は不要

※これに加え、当院では「採用・削除に関する経緯」(例.開院時:採用、第●回:採用⇒院外)も付記しています。


【付記】

・・・とまあ、文章ではさらっと書いていますが、フラグを立てたりリンクを貼ったりする作業は実際にやってみると、この上なく辛気臭くて地道な作業だということがわかります。

   「こんな単純作業、薬剤師がやってられるか!」

   「こんな情報、本当にニーズがあるのか?」


こんなセルフトークが頭の中を駆け巡ります。

私は以前、「舞台裏」という記事を書きました。

そういう意味では、「クラウド型」の制作はRPGゲームの制作に相通じるものがあります。