医薬品情報の基本は何といっても添付文書です。

だから長年DI業務に携わってきた者としてはこう言いたい。

「添付文書を読みこなせない薬剤師は薬剤師にあらず」

・・・って、厳しいですか?

でも「ハイパー医薬品集」のポータル画面にはこう書いてますよ。

(注)添付文書のみで解決できる情報は、原則としてハイパー医薬品集の対象とはしていません。

なので、まずは添付文書で解決できないかどうかを検証しましょう。


この設問はいかがでしょうか?

「アトニン-Oを一晩室温に放置したが使用できるか?」

添付文書によれば、アトニン−Oの貯法は「密封容器,凍結を避け冷所保存」です。

この情報だけでは解決できそうにありませんね。

では次に調べるべき資料は?

そう、インタビューフォームですよね。

※それでも解決しなければ、「審査報告書」という更に詳細な資料があることを知っておきましょう。

で、インタビューフォームってお持ちですか?

え? ある? いつの? 採用した時の?

オホン・・・そのインタビューフォーム、今すぐ捨ててください。

今はネットで最新版の添付文書やインタビューフォームが入手できる時代です。

くれぐれも「月イチ更新」の電子カルテの医薬品情報なんかで満足しないでください。

医師はともかく、薬剤師は常に最新の医薬品情報を把握して、医師のタイムラグ(最長2か月間)を埋めてあげる責務があるのです。


「ハイパー医薬品集」から最新のインタビューフォームにアクセスするには「PMDAリンク」を経由します。

※ちなみにアトニン-OのPMDAリンクは下記です。

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/2414400A2


さてこの設問、インタビューフォームのどこを読めば解決できますか?

そう、Ⅳ.製剤に関する項目の「5.製剤の各種条件下における安定性」ですね。

※正解はご自身でご確認ください。


今回垣間見ていただいたメタ知識(「何を調べればよいのか」「どこを調べればよいのか」という知識、知識の知識)は、実はDI担当者に必須のスキルです。

しかし、今の若手はどうやらその一番大切なスキルが今一つのようです(「情報弱者」になる道理です)。

「ハイパー医薬品集」はそんな情報弱者にも「検索一つ」で解決の糸口を提示してくれる、いわば「メタ知識の育成システム」なのです。